更年期障害は、50歳前後の女性が経験する自然な現象です。
9割の方が不調を感じるとされています。
中には非常に辛い思いをされる方もいますが、
1割の方は、不調を感じることなく過ぎていきます。
その差はどこからきているのでしょうか。
更年期をより快適に暮らすために、原因と症状をしっかり把握しておきましょう。
更年期障害の症状はいつ頃から始まるのか
女性には月経がありますが、50歳くらいで閉経を迎えます。
閉経とは、卵巣の活動が低下し、月経が完全に停止した状態のことを言います。
閉経をはさんだ前後5年、10年間を更年期と呼んでいます。
日本人の平均閉経時期は50.5歳ですが、40代前半の早い時期に閉経する人もいれば、50代後半まで月経がある人もおり、かなり個人差があります。
卵巣機能が低下し、月経が不順になってくると、いろいろな不調が起こってくることがあります。
更年期障害の原因と症状
更年期障害は、閉経時期に女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が急激に減少することで起こります。
エストロゲンの減少によってホルモンバランスが乱れ、自律神経の調節がうまくいかなくなります。
それにより、ほてり、発汗(ホットフラッシュ)、冷え、動悸、息切れ、頭痛、めまい、などの症状が現れます。
また、不眠になったり、イライラする、くよくよする、憂鬱になるなど、精神的な問題も現れたりもします。
他にも、疲れやすい、肩こり、腰痛、手足のしびれ、吐き気、皮膚のトラブルが起こることもあります。
感情面からみる更年期障害の原因
閉経するということは、子どもを産む機能を失うということです。
女性にとって月経はとても煩わしいものであり、もう子どもを産まないのであれば、早くなくなればいいという思いを持つのと同時に、
無くなることは寂しいものでもあります。
それは理屈ではなく、本能的に女性にとって重要な機能を失うことの喪失感は大きいものなのです。
また閉経は、子どもを産めない体、すなわち老いを自覚せざるを得ないものでもあります。
誰もが老いたくないと思うものでしょうが、
老いることを強く拒否している人は、更年期障害が強く現れます。
この感情は、自覚している人もいるでしょうが、無自覚な人も多いでしょう。
更年期障害の老いを拒否している自覚がない方や、うまく気持ちの切り替えが出来ない方は、カウンセリングをお受けになるとよいでしょう。
更年期障害の症状は薬で治せる?
更年期障害の症状は、まずは婦人科でみてもらいましょう。
症状によっては、内科や心療内科、精神科でみてもらった方がよい場合もあります。
更年期障害の治療には、ホルモン補充療法(HRT)や漢方薬を処方されることがあります。
ホルモン補充療法(HRT)には、不正出血、乳房のはり、吐き気、頭痛、ホットフラッシュ、イライラ、不眠、肌荒れ、体重増加などの副作用があります。
そのため、途中でやめたくなる場合がありますが、急にやめると症状がぶり返したり再発することがあります。
副作用があることを理解したうえで、治療を開始するにあたり、医師とよく相談してから開始する必要があるでしょう。
更年期障害の症状の乗り越え方
体に不調が現れる人は、自分が自分にメッセージを送っているということです。
自分の体の声を聞きましょう。
老いに向かう移行期を、恐れずに受け入れましょう。
女性の多くは、更年期になるまで出産や子育て中心の生活になります。
自分以外の人のために生きていたと言ってもいいでしょう。
もう、自分のためだけに生きてよいのです。
閉経が生まれ変わりの時期だと認識しましょう。
私たちは長く生きた分だけ成長し、賢くなっています、人としての魅力があがってきています。
新しい人生設計を立て、自分らしく生きることへのテーマを掲げましょう。
気持ちが切り替えられると、更年期障害は楽になっていきます。